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相続した土地の価格(相場)を調べる|路線価・公示地価・評価額の違い

更新日:執筆:実家ノート編集部出典と作り方

30秒でわかる結論
  • 土地の価格は目的ごとに5種類。相続では、使う場面ごとに物差しが違います。
  • 相続税は路線価(公示価格の8割程度が目安)、相続登記の税金は固定資産税評価額(同7割程度が目安)で計算します。
  • 実際にいくらで売れるかは、国の不動産情報ライブラリの取引事例と、不動産会社の査定で確かめます。
  • 兄弟で分けるときの金額は、話し合いで決めてかまいません。

手元の数字から目安を出す

この記事の目次
  1. 土地の「価格」は5種類ある
  2. 相続のどの場面で、どの価格を使う?
  3. 手元の数字から価格の目安を出す
  4. 自分で調べる方法
  5. 路線価図の読み方
  6. 不動産会社の査定と不動産鑑定
  7. 2026年の地価の動き
  8. よくある質問

土地の「価格」は5種類ある

地価公示価格を100としたときの目安。基準地価はほぼ同じ水準、相続税路線価は80程度、固定資産税評価額は70程度。実勢価格(実際に売れる値段)は土地ごとに上にも下にも離れる
図:公的な土地の評価は、地価公示価格を基準に水準が決められている
地価公示価格

国土交通省。毎年1月1日時点、3月に公表

水準の目安:基準(標準的な土地の正常な価格)

基準地価(都道府県地価調査)

都道府県。毎年7月1日時点、9月に公表

水準の目安:地価公示を補う、同じ水準

相続税路線価

国税庁。毎年1月1日時点、7月1日ごろ公表

水準の目安:地価公示価格などの8割程度

固定資産税評価額

市区町村。3年ごとに見直し(直近は2024年度、次は2027年度)

水準の目安:地価公示価格などの7割

実勢価格

実際の売買で決まる

水準の目安:土地ごとに違う

地価公示価格は「自由な取引で通常成り立つ、標準的な土地の価格」です。土地の形、道路との接し方、売り急いでいるかなど、個々の事情は入っていません。そのため、実際に売れる値段は公示価格からも離れることがあります。

相続のどの場面で、どの価格を使う?

相続税を計算する

路線価(路線価のない地域は、固定資産税評価額×国税庁が決めた倍率)。

相続登記の登録免許税

固定資産税評価額×0.4%。課税明細書の「価格(評価額)」を使い、「課税標準額」ではありません。評価額100万円以下の土地(1筆ごと、持分なら持分相当額で判定)は2027年3月31日まで免税(申請書に根拠の条文を書く必要あり)。相続登記の費用計算

兄弟で遺産を分ける

相続人全員が合意した価格。評価額・路線価・査定額などを参考に話し合い、まとまらなければ不動産鑑定。兄弟で分けるシミュレーター

売る

実勢価格。近くの取引事例と不動産会社の査定で確かめる。売り時シミュレーター

手元の数字から価格の目安を出す

路線価は公示価格の8割程度、固定資産税評価額は7割を目安に決められています。手元の数字をその割合で割り戻すと、公示価格の水準の目安になります。

手元にある数字はどれですか?
千円/㎡
登記事項証明書や課税明細書の「地積」
㎡

自分で調べる方法

  • 不動産情報ライブラリ(国土交通省):2024年4月に始まった無料のサイトです。地図上で、実際の取引価格(取引した人へのアンケートをもとに、物件が特定できないよう加工したもの)、不動産流通機構(レインズ)の成約価格、地価公示・地価調査の地点の価格、ハザードマップなどを重ねて見られます。近くで似た土地がいくらで売れたかを調べるのにいちばん役立ちます。
  • 路線価図・評価倍率表(国税庁):「財産評価基準書」のサイトで、過去の年分も含めて見られます。路線価のない地域は評価倍率表の倍率を使います。
  • 固定資産税評価額:毎年届く固定資産税の課税明細書に載っています。手元になければ、市区町村で名寄帳の閲覧や固定資産評価証明書の請求ができます(相続人も請求できます。手数料は市区町村ごとに違います)。
  • 近くの公示地価と20年の推移:売り時シミュレーターに郵便番号を入れると、近くの公示地価とその推移が出ます。

路線価図の読み方

  • 道路に書かれた数字が、その道路に面した土地の1㎡あたりの価格(千円単位)です。「215D」なら1㎡あたり215,000円です。
  • 数字の後ろのアルファベットは借地権の割合です(A=90%、B=80%、C=70%、D=60%、E=50%、F=40%、G=30%)。自分の土地を自分で使っている場合の評価には関係しません。
  • 相続税の評価額は「路線価×奥行きなどの補正率×面積」で計算します。角地や奥行きが長い土地などは補正があるので、正確な評価は税理士に確認してください。

不動産会社の査定と不動産鑑定

  • 不動産会社の査定:「この値段なら売れそう」という意見で、近くの取引事例との比較が中心です。無料のことが多く、売るときの参考になります。売却を依頼する(媒介契約を結ぶ)ときに価格について意見を述べる場合、不動産会社にはその根拠を示す義務があります(宅地建物取引業法34条の2)。
  • 不動産鑑定士の鑑定評価:国の「不動産鑑定評価基準」に沿って、取引事例・費用・収益など複数の方法で価格を出す専門家の評価です。遺産分割でもめたときや、裁判所の手続きで使われます。費用がかかるので、必要なときに見積もりを取りましょう。

2026年の地価の動き

  • 2026年の地価公示(1月1日時点):全国の全用途平均は前年比+2.8%、住宅地は+2.1%、商業地は+4.3%で、いずれも5年連続の上昇でした。
  • 2026年の都道府県地価調査(7月1日時点):全国の全用途平均は+1.5%、住宅地は+1.0%、商業地は+2.9%で、5年連続の上昇でした。

ただし、これは全国の平均です。地方では下がり続けている地域もあり、同じ市内でも場所によって動きが違います。相続した土地の価格は、必ずその場所で調べてください。

よくある質問

路線価の値段で売れますか?

路線価は相続税・贈与税を計算するための評価で、地価公示価格などの8割程度を目安に決められています。実際に売れる値段(実勢価格)とは別物で、土地の形や道路との接し方、売る時期によって、実際の値段は路線価から大きく離れることがあります。

固定資産税の評価額が、土地の時価ですか?

違います。固定資産税評価額は地価公示価格の7割を目安に決められ、原則3年に一度の見直しです(直近は2024年度、次は2027年度。地価が下がった地域は途中の年度に下げられることもあります)。相続登記の登録免許税の計算には、この評価額(課税明細書の「価格」)を使います。「課税標準額」とは別の数字なので注意してください。

兄弟で分けるとき、どの価格を使えばよいですか?

遺産分割では、相続人全員が納得すれば、どの価格を使ってもかまいません。固定資産税評価額、相続税評価額、地価公示価格、不動産会社の査定額などを参考に話し合い、まとまらない場合は不動産鑑定士の鑑定を使う方法があります(京都家庭裁判所のQ&A)。

地価公示の地点が近くにありません。

地価公示の地点(全国約2万6千地点)がない地域では、都道府県地価調査の地点や、国税庁の路線価図・評価倍率表が参考になります。路線価がない地域は「倍率方式」で、固定資産税評価額に決められた倍率を掛けて相続税の評価額を出します。

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出典と、この記事の作り方

実家ノート編集部が、下の公的資料を読んで作成しました。法令の内容は 2026年10月3日 に確認しています。制度は改正されることがあるため、申告や手続きの前に、必ず出典元と税務署・専門家にご確認ください。